2012/11/11



 デザインフェスタに足を運んできました。
Wikipediaによればアジア最大級の国際的アートイベントだそうで、イラストだけでなく、アクセサリや工業製品などを何百という出展があってとても全部観きれませんでした。そのため、Facebookやtwitterで親しくさせていただいている皆さんにじゅうぶんご挨拶できなかったのが残念です。
お祭りとして見れば、まるで宝の山です。面白いものがいっぱい。
世の中にはこんなにも楽しい個性が形になっているんだな、とワクワクします。

そんな様々なクリエイティブを目にしたかったのはもちろんですが、次回には出展してみようかなーとも思っての偵察も兼ねた今回の参加、商売として評価すると、見送りか再検討というやや厳しい結論に。イラスト単体で出展して仕事上の効果につなげるには、いろんな視点から見て難しいと思うのです。
僕の場合、出展に際して費用を捻出するからには、仕事につなげなければいけないという、商業作家として一家の主としての意識があります。そこの上で規模、来客の層、費用、催しの性格などをチェックしていくと、僕のイラスト使ってここで効果を上げるには結構難しいんですね。
イラスト出展が全体のかなりの割合を占めるため、そのなかに埋もれず、来客の制限時間を獲得するには大きなインパクトが要ります。着物絵であればタッチ自体がおとなしいので、ブースを茶室にするとか巨大な額装を行うとか、安くない費用をかけないと目は引けないと思います。更に客層が「絵にお金を払う」ことを習慣や目的としない一般の人々が多いため、賑やかしで終わってしまう可能性も。1枚150円のポストカードがいくら売れてもそこに広告効果がなければ本質的に赤字です。お金が絡まなければぜひ出してはみたいのですが。
それよりも、出展するなら妻の着物アパレルのほうが適していると思います。購買対象としても商材としても「変わった"現物"が欲しい」来客は多そうだったので、ネットで伝わらない質感や雰囲気をアピールして取引や広告の場とするには、間違いなく有効です。「ある程度大きめかつ高めの現物で流通にのりにくくマイナーではあっても絶対の自信がある」という商材を持っている人が一番成果を上げられるのではないかと。

アートと商売は、昔から手は組めても溶け合えない要素です。
本当に作りたいものときちんと売れるものがマッチングしているのは奇跡的な低い確率で、それが、意外と多くあるように見えるのは、埋もれてしまった膨大な作品の裾野の上に存在しているから。
多くの作品があふれるイベントがあるたび、そんなことが頭を巡ります。