2012/07/16


コニカミノルタ24時間リレーマラソンに仲間たちと参加してきました。



富士北麓公園を会場に、最大15人までのチームを組んで土曜日の朝10時から日曜日の同時刻までの24時間、一周1.6kmのコースをリレーしてどれだけ周回できるかを競う大会です。
といっても、本気で勝ちに行くエリートランナーのチームとガチでやりあう気持ちなどはなっからなく、仲間と丸一昼夜、ランニングを絡めて楽しく過ごそうというのが僕らを含めたほとんどの参加チームの主旨で、レースで顔を合わせる同士、多くのランナーが集まってくる会場はまるで同窓会のよう。



大量の食べ物や飲み物をチームに割り当てられたテントに持ち込んで本営を築き、知り合い同士のチームを訪ねてあいさつに行ったり、コーヒーを飲みながら富士山を眺めたりと、普段のレースにはないのんべんだらりとした気分で長い長い日を楽しみます。



僕も普段のランニングスタイルだけでなく、初の真っ赤なランパン&ランシャツで「速そうな人のコスプレ」とか、毎度おなじみ白面スケキヨマスクを浴衣と半裸フンドシにアッセンブルした普通のレースでは決して使えない格好でコスプレランをたっぷりと遊びました。



フンドシについては沿道の観客からの好評とはうらはらに仲間内からは「その見苦しい腹をなんとかしろ」「仲間と思われたくない」と大変不評だったためそれぞれ一度きりの幻で終了することになりましたが、日暮れには盆踊りや花火が企画され、気の置けない仲間たちと時間を気にせず共有できる幸せな時間が過ぎています。

しかし、そんな和気あいあいとした雰囲気も夜の20時をまわったあたりまで。ここからがこのマラソンの本性です。


体力が低下する一方で全員眠気に襲われはじめ、どんなにスパンが長くても15人では2時間に1度走る順番が回ってくることからぐっすりと休むことができず、走ることそのものが億劫になってくるのです。コースもわずか1.6kmとはいえ、競技場を出たところでいきなり心臓破りの坂が200mほど続き、空気が若干薄いことで見た目以上の体力を使います。


記録を狙うチームはまとまった時間を睡眠に充てられるようにチーム内チームでシフトを分け、1人あたりの周回数を増やすなどして体力の回復を効率的に行ていたようですが、それでは24時間をみんな一緒に過ごすという狙いから外れてしまうため、我がチームは基本的に1ローテーション1人1周を守って走りました。


結果、テント内は汗と鼾にまみれた野戦病院のように。自分の走順に寝坊したメンバー間で一部ぎすぎすした空気も生じたりと、かえって逆効果なんじゃないか感じる場面も。


それでもひたすらたすきを繋ぐ参加者たち。
丑三つ時にランナーに別メンバーが並走してエールを送るチームがある一方、闇夜の中をアンパンマンとかドラえもんとかCMで見かける何かが駆けていくというシュールな光景も見受けられ、だんだんと今見ているのが夢で、本当は自宅のベッドで寝ているんじゃないかという錯覚すら覚えます。


今が何周目なのかわからないまま、遠くの富士山に連なる山小屋のテントをぼんやり眺める休憩と苦行の深夜ランを繰り返す数時間を経て、やがて東の空が白んでまわりの輪郭が見え始めると残りはもう5時間。







大会はいよいよ大詰めに。
あちこちのテントから朝餉のにおいが漂い、テントから這い出してくる人々はみな「もうすぐ終われる」と「もうすぐ終わってしまう」という相反する感情と眠気で変なテンションになります。
コース沿道でランナーを踊りながら応援したりハイタッチしたりと大会最大の盛り上がりを見せ、青空のもと10:00を迎えて大会は終了。


各チームがアンカーを競技場の入り口で迎えてともにゴールします。そこには疲れの下からににじみ出る笑顔だけがいっぱいでした。


この後僕らはもう一泊をコテージで過ごして宴を開き、翌日帰路につきました。
日頃のレース打ち上げでは遅くまでうわばみのような飲みっぷりを見せるメンバーたちもこの日は22時前になると舟をこぎ始め、日をまたぐ前に就寝。
更に帰り道中央道30km5時間の渋滞を共にし、三日間の共闘で更なる結束を深めたのでした。

※24時間+翌日の時系列アルバムはこちら。
https://picasaweb.google.com/101200289487072093157/201207141624#

この大会、決して楽なイベントでなないのですが、一昼夜の間、楽しみと苦しみを全員で共有することで、ほかの大会では決して得られない感動と連帯感を味わえます。
いつも一緒に走っている仲間が15人いるならば、ぜひ参加をお勧めします!